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詩と映画と日記

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魔法の弾丸

『魔法の弾丸』
エールリッヒ博士の生涯

秦博士.jpg
エールリッヒ博士と秦佐八郎博士の偉業です

この映画は
がんを早くみつけて
優しく治す近未来のがん医療
『ナノバイオ標的医療』の実現に
取り組んでいる岡山大学医学部が
活動のひとつとして開催された
『サルバルサン探索99年記念展』で
上映されたものです

普通では観れない映画ですが
この映画の字幕を翻訳されてた
うっちーさんのご好意で
見せていただく幸運に恵まれました

岡山大学医学部の卒業生である
秦佐八郎博士(1873年生まれ)と

ドイツのエールリッヒ博士は
(免疫の研究でノーベル賞受賞)

当時では不治の病とされていた
恐怖の病、梅毒の治療法を
パートナーとして研究しました

梅毒は病原菌による
感染症であることを発見し

化学薬品で病原菌を
殺すことが出来るとの考えのもと
ふたりの博士と仲間たちは
研究に励みました

梅毒の病原菌スピロヘーターには
砒素が効くことが判明して

生体への毒性はなく
病原菌にだけを目がけて
毒性効果を発揮する
『魔法の弾丸』の開発を求めて

たくさんの試薬を試しますが
なかなか簡単には見つかりません

研究の費用にも困まりましたし
20世紀の始めですから
化学薬品には人々の抵抗がありました

科学者ですら
人間の血液に化学薬品を注射するなんて
もっての他と考える始末です

寝食を忘れた苦労の末
606番めに効果のある試薬ができました

ネズミやウサギでの実験を重ね
チンパンジーでの実験にも成功しましたが
人体実験の必要があります

エールリッヒ博士が自分の体で
実験をしようとしていますと
共に研究をしていた仲間のひとりが
自身を実験体にして実験を始めました

待ちきれない要望に応える為
梅毒患者たちから応募を募って
出来たばかりのサルバルサン606を
注射しました

世界中の医師が
梅毒の薬の出現を待っていますが
人体実験には年月がかかります

ひとりでも多くの患者を助けるため
責めは負う覚悟でエールリッヒ博士は
サルバルサン606を使いました

多くの患者がこの薬で助かりましたが
なかには606の副作用で砒素中毒を発して
亡くなる人が出たことで
エールリッヒ博士とサルバルサン606は
危機に立ち裁判にもなりました

以前、結核菌の研究をしていた頃に
感染した結核が再発したのか
無理がたたって博士は体調を崩します

エールリッヒ博士と秦佐八郎博士は
連名でノーベル賞の候補になりますが
1915年エールリッヒ博士の死亡のため
受賞は叶いませんでした

当時は、まだ発展途上国であった
日本にとって、秦佐八郎博士の受賞は
非常な栄誉であったでしょうに
ほんとうに惜しいことでした

エールリッヒ博士の最後の言葉は
未来を予見し心配しての
『肉体の病気と精神の荒廃は無関係ではない』でした

魔法の弾丸と呼ばれてる
サルバルサン606は
ひとには影響せず
病気の原因となる細菌だけを殺して
病気を治療するという考え方で開発された
世界で最初の科学療法剤で
これによって現在の多くの化学療法への
新しい道を拓きました


専門用語も多くて
字幕にはご苦労が多く有ったかと思います
わからないながらも
なるほどと感心する箇所が沢山ありました
親和性という単語にも
苦心がうかがえて、すごいと思いました

日々、我がことを忘れて
研究に励まれる方たちのお陰で
恵まれた今日の日があることを考え
大切に生きていこうと思いました

うっちーさん
ありがとうございました


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